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テラスで俳句を

    

 星新し思ひ新し我も新し ゆう胡
 2024年は変動の年になるのかもしれない。少し書いてみたいことが見えてきた。言葉にすることで、写真の様に映し出される世界がある。写真は自分の目よりも確かに色や光や影をとらえていることがある。言葉も同じだ。湖の底に眠る砂金は、人の目に触れることはないだろうけれど。

ギャラリー


2024年3月3日(日)  土恋し硬きをほぐす雨恋し ゆう胡

 
泥びなで一人遊びし幼子よ
 雛菓子のいがまんじゅうを三個買ふ
 ひなあられ庭を眺めてあきもせず
 いつの日か母となりけり雛飾る
 雛の顔けふはつくづく眺めをり
 雛祭り少女にもどり遊びたし
 雛飾る賑やかだった昔むかし
                ゆう胡

 

芽吹き始めたもっこうばら。春の息遣いを感じる
去年は見事に咲いていた枝垂れ梅。庭で今年も咲いたけれど、ちょっと手入れ不足かしら
白のクリスマスローズが咲いた
赤のクリスマスローズ。渋い色合いで、庭に何株かは定着した





 「玉響 たまゆら」  正木ゆう子句集
 
  題名の裏のページにこんな但し書きがある。
 玉響は露。朝日に向かって見る露は透明だが、
 朝日を背にして見る露は反射光なので、虹のように色がある。

 触角より

 おほかたは蕾よ梅のうれしさは
 対岸に水飲むきつね斑(はだれ)雪
 わが見れば吾の痕跡初蝶に
 ゆれてゐる気がするゆれてゐる朧
 春の蝉しづけさといふ周波数
 みな黒き袋に詰めて春景色
 以来そこに在るヘルメット走り梅雨
 夏帽子ふたつ掛けあり生と死と
 翠玉のたましひならむ蜥蜴の子
 くもの糸ひひらぎの葉を転(くる)めかし
 地蜘蛛の巣のさはり心地をいつまでも
 潜水に浮力ふりきり河烏
 触角を振り振りゆかむ朝曇
 鬼蓮の葉にしてみたき昼寝かな
 たれも見ぬ深山の蛍火になれるか

 まだ私はこの人の心の風景も、言葉の世界も
 見ている風景も、とどめたき世界も
 見えてはいないのだが、
 なんとも心地よいリズムだ。
 何度も口ずさんでいると、風景とともに不思議な世界が見えてく る。触角よりと題されていることが、感覚でわかってくるような そんな感じだ。
 
 好きな句は
 
 夏帽子ふたつ掛けある生と死と
 翠玉のたましひならぬ蜥蜴の子 
 たれも見ぬ深山の蛍火になれるか
今朝の雲。雲の向こうに何が隠されているのだろう、そんなことを思わせる厚い雲に覆われていた。寒かった。

ゆき「雪」より

朝がさむくなると、秋がいなくなる。
冬って、朝に、やってくるんだね。

雪は天からふってくる。
雪がふると心が静まるのは、
雪はひとの心の中にもふりつもるから。

雪には雪の色がある。
冬には冬の色があるように。
寒さには寒さの色がある。

すごく寒い朝にはつい考えちゃう。
水だけでなく、時間まで凍りついちゃったりしてないかなって。

ひとひらの雪というくらいやさしいのに、
雪はただ降りつづけるだけで、
世界をすっかり変えてしまう。

静かな雨はしとしとと降る。
静かな雪はしんしんと降る。
音のする音と音のしない音があるって知った。
冬の雨と雪。

雪をみると、なぜか雪だるまをつくりたくなる。
とければ、いなくなるとわかっていても。

サンタクロースは眠った子のところにしかこないんだ。
なぜって、サンタクロースが運んでくるのは夢だから。

今年の冬は、雪だるまがたくさん現れた。
しかしまた冬がくるまで、全員、目下行方不明。
           
           長田 弘

2023年9月ひがし北海道の旅

2016年7月北海道の旅

流星の章

言の葉の章

宙旅yuko日記




























ガラスの龍

information

  

2020年11月
霜月(霜の降る月) シルバーカレッジのHPに「テラスで俳句を」のアドレスを掲載
2020年12月
師走(師匠といえども、走り回るほどにせわしい月) 12月5日「テラスで俳句を」の「花の章」完成。12月10日 2019年と2020年の俳句の未記入に気づき追加した。
2021年3月
弥生(木草弥生い繁る→きくさいやおいしげる、草木が生い茂る)月
3月19日、「テラスで俳句を」の「水の章」「風の章」「光の章」完成。といってもこれから見直しながら、推敲、選句をしつつ、新しい句を加えていこうと思っている。「花の章」も写真や句を見直した。
2022年1月25日
HPのお休みをここに報告。りゅうが病気だとわかり、残された時間を悔いのないように過ごしたくて、足が不自由なあの子の緊急に備えるためにも、机に長い時間向き合うのはやめた。
2022年3月10日
りゅうの死という思ってもみなかったことに遭遇した。両親をすでに見送ったけれど、今回ほど辛いと思ったことはなかった。
りゅうは10歳。それなりにシニア犬にはなっていたが、前の子は17歳まで生きたから、まだまだ元気に一緒に過ごせると思っていた。
2022年5月30日
5月30日は新月。旧暦の5月1日。
この日にHPを再開しようと準備して何とかアップにまでこぎつけたが、まだまだ未完成の部分が多い。

「りゅう星の章」「言の葉の章」のページを追加。
2021年の俳句を各章に加えた。
日々の記録を残すために「宙旅yuko日記」を追加した。
2022年7月2日
旅の記録を残していくために、まずは北海道から
「2016年北海道の旅」をリンクページとして追加した。

profile

ゆう胡(俳号)
(掲載写真はすべて
 ゆう胡撮影)


誕生月  弥生


愛知県

一日目標10000歩。